注目の「トヨタ GRヤリス」は事前の期待値を超える高剛性・高応答なホットハッチだった
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 43
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 43
GRヤリスは、ベースとなる市販車を競技車両に仕立てたのではなく、競技車両を市販車に仕立て直したという触れ込みだ。消費者としては魅力的ならどっちでもよいが、前述の通り、たしかにヤリスを仕立て直したのではこうはいかなかっただろうと感じさせる部分が随所に見られる。
まず最上級のRZハイパフォーマンスに試乗した。最高出力272ps、最大トルク370Nmものハイパワーを発揮する1.6リッター直3ターボエンジンは、現時点で他に搭載するモデルがない専用エンジンだ。組み合わせられる6速マニュアルトランスミッションも、多板クラッチを用いたトランスファーもこのクルマのために新開発された。86はトヨタとSUBARUの、GRスープラはトヨタとBMWの共同開発であることを考えれば、競技車両のベース車とはいえ、主要部分が丸々専用設計のGRヤリスが特別だということがわかるというもの。
運転席に腰を落ち着けると、車外で想像したほど視線は低くない。バケットシート、ステアリングホイール、シフトレバー、ペダル類のレイアウトが完璧で、走らせる前から一気に気分が高まる。視界も悪くない。競技のためにパーキングブレーキが今主流の電子式ではなくレバーで操作する古典的なハンドブレーキということもあり、運転席まわりにノーマルヤリスでは豊富な小物の置き場がほとんどないが、それも許せるレーシーな雰囲気に包まれる。
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